脅迫状の筆跡は「99.9%別人」

コンピューター解析で石川無実が明らかに


狭山事件の真犯人が残した唯一の物証は、被害者宅に届けられた脅迫状です。

ところが、厳しい差別と貧困の中で育った石川さんは、事件当時、読み書きができませんでした。

にもかかわらず、警察は、石川さんが「自宅に置いてあった『りぼん』という雑誌を見ながら脅迫状を書いた」などというありもしない犯行ストーリーをでっちあげ、「石川さんの筆跡と脅迫状の筆跡は同一」と主張。裁判所も科学捜査研究所などのデタラメな鑑定を証拠として認めてきました。

2018年1月に新証拠として東京高裁に提出された東海大学の福江潔也教授の鑑定は、50年におよぶ筆跡論争に終止符を打つものです。福江教授は、脅迫状と石川さんの筆跡をコンピューター解析によって比較・数値化し、「99.9%の確率で別人」との鑑定を行いました.

福江教授は「人による筆跡鑑定は、人によって違うものになる。コンピューター解析による鑑定がもっとも客観的と言える」と述べています。

福江鑑定は「脅迫状を石川さんが書いた」とする有罪判決を根本から覆すものです。

裁判所は、福江教授の鑑定人尋問を行い、速やかに再審を開始すべきです。

「別人は当然」石川一雄さん記者会見


2018年1月22日 ANNニュース

55年前に女子高生が殺害された、いわゆる「狭山事件」で、無期懲役が確定した男性の弁護団が、有罪の根拠にもなった筆跡は、別人のものだとする鑑定結果を東京高裁に提出した。
石川一雄さんは、1963年に埼玉・狭山市で女子高生を殺害した罪などで、無期懲役が確定し、服役したあと仮釈放され、裁判のやり直しを求めている。
女子高生宅に届いた脅迫状と、石川さんの筆跡が同一だと判断されたことが、有罪の根拠にもなっているが、弁護団は、コンピューターを使った新たな鑑定で、筆跡が99.9%の確率で異なることがわかったと主張している。
東海大学の福江潔也教授は「明らかに脅迫状と上申書、別人が書いたと考えないと不合理」と話した。
弁護団は、1月15日、この鑑定書を東京高裁に提出したという。


脅迫状と石川さんの上申書。これが同一人物の筆跡か?


■真犯人が書いた脅迫状

■石川さんの上申書

―これは石川一雄さんが1963年5月23日の逮捕当日に書いた上申書である。実はこの上申書は、裁判所の証拠開示勧告により、50年ぶりに存在が明らかになったものだ。石川さんが読み書きができなかったため、事件当時の筆跡資料は数少なかった中で、検察は50年間も貴重な筆跡資料を隠してきたのだ。それは、この筆跡が石川さんの無実を能弁に語っているからにほかならない。脅迫状の流れるような筆跡と、「20万円」を「20まんい」と書いている石川さんの筆跡が別人のものであることは、専門家を待たずとも明らかではないだろうか。

2018年1月16日 東京新聞


2018年1月16日 東京新聞
2018年1月16日 東京新聞

「正義とコンピューター」鎌田慧


2018年1月30日 東京新聞「本音のコラム」
2018年1月30日 東京新聞「本音のコラム」